11月 2007

イグノラビムス。

今また、人生の中の不思議な出来事に出会って驚いています。
今日読んでいた本に「イグノラムス●イグノラビムス(我々は無知である。そして無知であり続けるだろう)」というフレーズが出てきました(われわれは知らないし、決して知ることはないであろう、とかの訳もあるから『世界は自分の感覚の範囲でしか結局はわからない。→重力なんて目に見えないじゃないか!結局仮定でしかない、真理じゃない、さあ重力を見せてくれよ、さあさあさあ!…..え?この体重が重力だって?意味わかんねー!この重さは俺の重ささ。さあさあさあ!!え?リンゴが地面に落ちる?そんなの当たり前じゃないか笑。もっと違う方法で真理ってやつを絶対的に見せてくれよ!…….ん?できない?じゃあきっかり信じるなんて無理だよプロフェッサー笑、そんなあ、常識って言ったってそんなあやふやなものが常識なら幽霊みたいな非科学的なもんだって同じくらい常識的に存在しちまうじゃねえかベイベー』みたいな意味のことなんだろうと思います)
人間には絶対的に到達することができないポイント、例えば自分の存在への謎や、神様が本当にいるのかどうか、目の前のパソコンが自分が見ているとき以外にもちゃんとそこに在るのかどうか(バカらしいけど笑、厳密に考えると俺は俺以外の視点からは確かにパソコンを見ることができねえ)、ちょっとふざけると自分の後ろ姿を生で見ることは一生できない(鏡や映像でしか自分の背中は見られない、中国雑技団は別だけど笑)とか、そう言うことをレイモンさんと言う偉い人が科学に向けて発した言葉らしいです(科学の根本にある客観性の否定)。
とりあえずその内容は置いといて、気になったのがこの「イグノラムス●イグノラビムス」という言葉の響きです。
俺が勝手に自分の造語たちの総称に名付けた「イグノフォン」という響きになんか似てるんです(イグノフォンも造語)。
ちなみにイグノラビムスはラテン語らしいです。
なんだかすげー気になってしまってちょっと調べてみたら、イグノ(igno)はラテン語で「未知」。フォン(phone)はギリシア語で「音」と言う意味を持っているらしいのです(英語のphoneの語源)。
ignoもphoneも英語にもよくでてくるフレーズなので(ignorance→無知、とか)、アルファベットにするとなるほどなあと思えるんですが、このigno-phone(イグノフォン)と言う思いつきと意味への結びつきの偶然性に一人で強烈に鳥肌が立ってしまいました(できれば誰かと一緒にこの激情を分かち合いたかった、正にこの感覚は他の人にとってのイグノラビムス、わけわかんねえ、です。。。)
俗に言ってしまえば、無意識的に英語の響きからこの言葉を思いついたのかも知れませんが、今日に至るまであまり深くは立ち入って考えたことがなかったので、つーか、思い至りもしなかった。
そもそも「思う」というほど考えもしなかった。本当に衝動的にドンッで使っていた。
何を書いているんだろう笑。。。
とにかくイグノフォンは「未知なる音、無知なる音(知ることができ無い音)→意味を持つまえの言葉→感覚のための響き」という意味に変換できるフレーズであることが運命的に判明したのでここに声高らかに表明します(偉そうに)!
本当にその通りに俺は今までの作品の中で使っているので、もし良ければそういう気分でもう一度聴いてみて下さい(偉そうに)

数学系の本(自分が大嫌いな笑)から音楽へ結びつく、やはり俺は人間に造られた世界に人間として生きているんだなと思いました。
論理も哲学ももの凄い密度で音楽と繋がってる。太陽系から見たら笑。
大層でゴミみたいな思考からでる感情をもっと、自分の音楽へ結びつけられたら、と今日も思います。
形式的宗教、宗教的形式はどこまでもうさん臭くてクソだけど、神秘はどこまでも世界に漂っていると強烈に思う。
そう言う意味での神様はいる。宗教を越えたところにいる。
怪しい新興宗教みたいな発言にはとらえないでください笑。
俺たちが生きている事実がもはや宗教の言う神秘を越えている。
存在が美しすぎます。
また酔ってます。

YES.ignophone/hozzy

僕の両指をかすめて。

タバコやお香なんかの灰が皿からこぼれ落ちたとき、もの凄くやってしまった感に侵されて気分が萎える。
こいつがカーペットなんかの繊維系敷物の上に落ちたときなんてのは焦げる恐れと合わせて最悪であります。
灰ってやつはまず指でつかめない。触れたら確実に崩れて余計に始末がつかなくなる。けれど結局どうにかしないといけないもんだから、とてーも優しくこいつをつまもうとする。息も止めて真剣に、です。しかし結果崩壊、固まりは無数の粉にかわる。あらあらやだやだ。だから始めっからティッュペーパーかなんかでごっそりとっちまえばよかったんだバカ、なんて文句垂れたところで結局もう一回同じような行動をとるに決まってる。俺には分かる。つまるとこ面倒くさいんです。初回にティッシュを取りに行くのがすげえ面倒くせえ。崩れたらもっと面倒くさくなるのはわかってるけど、一次的に「ティッシュを取りにいく」という行為が面倒くせえ。二次になって初めてティッシュ登場の具合がおさまりいいのです。
たかが灰でうだうだと失礼。
灰は触れたら崩れてしまう、灰ではなくなってしまう、別の何かに変形する、けれど触れなきゃどうにもできない。
灰は我々人間の言葉のように思えてしまって、わけわからん告白を述べるに至りましてしまいまして。
「つまり言葉は灰ってことさ、マドモアゼル」
体躯を寄せて、儚げに。。。
ぶぶぶぶん。

ふぃー、今日は曲作りはかどりました。色んな意味でとんでもねえの用意しているつもりなのでお楽しみにしていてください。
焼酎が骨身に刺さってしまった、ヨ。
おやすみなさい。

YES.ash/hozzy

精神。

「神様はなんで俺をこんな酷いめに遭わすんだろかな。祈っても祈っても幸せになりゃしねえ」
ヤニに染まってささくれたバーカウンターで、筋肉質の白い男がマスターに語りかけていた。
「あんたが言う神様ってのはなんだい、あのバッテンマークのやつかい?それともたいそうな口ひげ生やしてるやつらがブツブツ唱えながら持ち上げている方のやつかい?」
時の制裁でヒビが走り、今にも砕け崩れそうなグラスの横腹をスナップで男の前に滑らせてマスターは柔らかに微笑んだ。
「ははふぅ、ちげえよ。俺はメルニル教さ。植物敬って野菜食わない、あのしみったれた陰気臭い教団徒さ」
しなびたサラミを口の端で噛んで男はバーボンをのど元に流し込んだ。
「陰気くさいってよ、そんな風に自分の信仰をけなすもんじゃねえぞジョルベルニ」
「ひっ、頻繁な喜捨のせいでうちの家計は灰になっちまった。火の車ってのはまだまだ余裕のあるやつが吐くセリフさ。うちの経済はさ、火がメラメラついて景気よくなる前にもう灰になっちまった原爆くらったみてえな状態なんだよマスター」
男はもう一口喉の奥にアルコールを流し込むと、血走った目を中空に漂わせてゲップを吐いた。
「七杯も呑んどいて毒づいてんのはどの口だ。きしゃぽっぽ」
マスターがおどけて言うと、にやりとして男は返した。
「喜捨ってやつはよ、響きはとってもありがたいんだがな、実質貧乏の端を強制的になめさせられて、精進せよせよって頑張らせてくれなさるよくわかんねえ、ほんとによくわかんねえ教えよ。つーかよ、あれは搾取の変態系だよ。俺たちは吸い取られて喜んでんだ。馬鹿だ。糞だよなほんとよ。それが俺たちメルニルさ。くだらないヒョロヒョロしたカスみてえなもんだよ」
「じゃあなんでお前はそれにしがみついてんだ?」
「そこに神がいるからさ」
ひと時無言。そして窓が風に鳴った。
「なあ、俺酔い過ぎかなあ?」
マスターは歴史の生き証人のようないささか味が染み出すぎているグラスケースの端から、これまたこの店に不釣り合いな少し高級そうなフォルムのワイングラスを取り出して息を吹きかけて、布をかぶせた。
「お前が酔うのはちっとも悪くねえよお。なんせ俺が儲かってちっとばかしは裕福になるからなあ。店のもんさえ壊さなければ、死ぬまで飲んでも差し支えないよお。つーか死ぬまで飲んで金をたんまり落とし給え。それが世の中に対する喜捨ってもんさ」
マスターはそう言ってぎこちなく唇を曲げてウインクすると、満足したようにもう一度グラスにはあーっと息を吹きかけた。
「へへへ、そうさあ、故に小生たんまり酒を呑んで奉るのでござるの巻きー」
ぐいっとグラスの底を飲み干し、マッチを摩ってタバコに火をつけようと男がポケットに手を突っ込んだ瞬間、後ろの方の席でガタッと椅子を引きずる音がして空気が軋んだ。
「あんた。メルニルなんかい?」
「あ?」
赤とも黒ともつかぬ、すり切れてボロボロにくすんだ布巻きを纏った老人がすりすりと男の方に滲みよりながら静かに口を割いた。老人は白亜の目を濁らせて、歯のない口の端に黄色い泡を浮かばせてきききと笑っている。
「あんた。メルニル?」
再び問われた老人の問いに男は薄気味悪い気持ちを抱えながら答えた。
「そうだよ。メルニルだけど。なんか?」
老人は男の隣の、足が今にもかけ落ちそうなスツールに大仰そうにすわると「コウモリ酒をもう一杯」とマスターに静かに言葉を放った。
「いやね、私もメルニルなもんでね」
コウモリ酒ってよ、あんた、魔法使いのじいさんかいな。
男は警戒しつつもこの老人を隣にしてもう一杯、バーボンをロックで頼んだ。
やたらと磨き込まれて痛ましいほど透明な丸窓の向こうで、夜は永遠に続くかのような密度の濃さで黒を孕み込み、酒場の薄暗い照明にひどく反射して、この空間を今にも飲み下すようにぎらついている。少々居心地が悪くなってきた。
「そうか。じいさんもメルニル拝んでるんだな。どうだい。調子いいかい?」
「ええ。すこぶるいい具合でございます」
信じられないくらい長い舌を口から伸ばして、コウモリ酒をぴちゃぴちゃと嘗めながら老人は盲の目を更に深く濁らせて微笑む。
目をそらした男は、ぐいっとまたバーボンを飲み下すと、お勘定、といつのまにか調理場に姿を暗ましていたマスターに向かって、声を放った。
「お兄さん、ちょっと。ちょっと私の話を聞いてオクレ」
老人は腐ったヨーグルトのような口臭を男の顔に引っ掛けて、にたりと笑った。
即刻、男は強烈な吐き気を催したが、酸味を帯びた不快感をどうにかヘソの奥に引っ込めて生唾を飲み返した。理不尽なうすら涙にじじいをぶん殴りたくなった。
「ふふふん、あんた、メルニルのくせに救いも慈愛もないって顔してらっしゃるの」
トカゲ舌をペロリと這わせ、飛び出した鼻毛を弄びながら老人はまたもやきききと笑う。
「世紀の大救世主様はそんなあんたみたいな輩をひどく慈しんでおられるのよお」
男のなにやら沸々とわき上がるゆらめきに、血管はぴきぴきと肥え始め筋だった。
「疑念や不満は人間である証じゃ。立派にあんた人間じゃ。若くって羨ましいわい。しかしあんた。言っておくが祈りによって世界が救われるならもうとっくにこの世は救われておる」
「おいじじい。どこの誰だかわかんねえが、説教なら壇上でたれてろバカ」
男は喉元に押し殺した低音でドスをきかせて老人に凄んだが、
「祈りや喜捨なんてのは只の方便さ。祈りかい。きしししし。そんな簡単なことで幸せになれるのなら人の不幸はたいした不幸だ」
抑えきれなくなった男は右拳を振り上げると、力の限り自分の後頭部にそれを叩き込んだ。
ガッ!ッピーン、ィンィンィンィン。
眉間の奥でツーンとする三角形と、バネ仕掛けの床に乗ったようなぐわんぐわん、それに加えてさっき吸ったじじいの腐った息をフラッシュバック、その場に大量のゲロを吐くに至って本格的に涙があふれた。
「うあぁああぁ、おえっ、っぷ」
ひゃははははははははははは、じじいはどっからそんな声を生み出しているのかわからない不自然さで狂的に笑った。
「あんた!あんた立派なメルニルだぁ。非暴力!立派だ立派ぁ。ひひひひぃ、人を傷つけるに非ず、ってしっかり規律守ってるじゃないのよぉ」
男は老人の座っている椅子を思い切り蹴り飛ばし、仰向けに倒れたそのボロ布の固まりのような姿に力の限りの侮蔑、いい知れぬ激昂の束を唾にして吐きつけた。
老人はひしゃげた腰を打ちつけて、ううむ、と数秒唸った後に「目を裏返せ若造。世界はお前自身なんじゃ肉を食ええええ!!」と叫んで、そのままコウモリ酒を吐きだして崩れて沈んだ。
「ブラボー!!」
突然、ぱちぱちぱちぱち、とすっかり奥に引っ込んで我関せずだったマスターが、珍妙なヤギの面をかぶりながら拍手を携えて現れた。
「うーん、素晴らしいヒューマンぶりだったよ、最高だ」
「おい、てめえ。勘定だってさっき言っただろうがボケ茄子!無視しやがって糞野郎が。つーか何なんだよそのかぶりもんはてめえ」
「俺の信仰だ。気にするな」
悔しさと嘔吐のせいで男の顔は、涙、鼻水、涎、汗、あらゆる体液にきらきらと照り輝いていた。
男は肩でハァハァ、熱くなった拳をカウンターテーブルに叩き付けた。
「どいつもこいつも馬鹿にしやがってよお」
「お前もコレかぶれ。落ち着くぞ」

YES.god/hozzy