あたたかいとくしゃみ。

銀のポールとポールを繋ぐ鈍い色した鎖のはしっこ。そこを錆びさせる雨と孤独。緑色の帽子を被った掃除のおじさんは落ち葉と牛乳パックとタバコの吸い殻は拾うけど鎖の落とす影は拾わない。痩せたぶち猫がポールの鳥居をひゅるんとぬける。「なあずいぶん雲っていたから、また曇ってしまった」からすがかあ、って図書館の角を飛ぶ。「なあ僕らが生きているというのなら、あの鎖は死んでいるのかい。そしてまた死ぬのかい」「バカだな、あれは生きていないだけだ」「なら生きてもなくて死んでもいないあれに僕は憧れる。壊れるだけなんだろう」
あかい木の実がまた枝から落ちて、駐車場の白線と6の文字の間に転がった。
空からもひとつふったつぽっつんぽつん。
からからに萎びたキャベツの破片も回収されなかったウイスキーの角瓶も鎖のむこうで同じように打たれている。
「何が違うってんだ」
「全部同じじゃない、ただそれだけさ」
空がごろごろし始めたので、ぼくらは階段をのぼった。

YES.mocha/hozzy

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