去ったものたち。

去ったものたち。

それから約一時間、テーブルに額を押し付けて自分の人生について考えてしまった。
時々訪れるひどい吐き気を押しとどめながら、ようやく乾いた鼻水に、深い意味を感じていた。

「お客様、ご気分がまだ優れないようですが、さっぱりしたものをお持ちいたしましょうか?」
「いや、結構。もう少しこのままにさせてくれ」
「かしこまりました」

深くお辞儀をして、タフガイのボーイは一分の隙もなく上品にまた奥に引っ込んでいった。
彼は見かけによらず繊細な心を持っているようだ。

しかし、そんなノーマルさはここではクソの足しにもならない。
むしろマイナス点である。
私はそんなもの甘ったるいものを求めてここにきたわけではない!

馬鹿め。

もっと場にあった品位ある行動を取らなくては駄目だ、小僧、、、。
ここは単なるクソだめだろう?
とんでもないもんを俺は食いてーだけなんだよ。

「ヘイ、やっぱり一つくれ。くさやとブルーチーズのミックスジュースを頼む」
「、、、、ポセイドンですね。かしこまりました」

柔らかな彼の微笑がやはり鬱陶しかった。

私が原因なのか、それとも彼なのか。
雰囲気とは、実に機微なるものである、、、、。


冷たかったテーブルが私の額を受けてすっかりぬるくなった。
まるで私の人生そのものである。

どこへ向かって、歩いてきたのだろう?

ゴミのような顔色をした斜め右に座っている女の眼球に、無言の質問を反射させた。
跳ね返ってきた答えは、もちろん濁った沈黙である。

そもそもこんな洒落た問題は、私のような矮小な人間の考える事ではないのかもしれないが。
しかしどうにもこうにも乾く事を知らない私の鼓動は、確かに、さも意味のある事かのようにトクトクと鳴り続けてきたのではないか。
何度もその音に、疑いようのない肯定を、遠回しにでも与えてきたのではないか?

誰も答えてはくれないその問いに、私だけが答えることができるのではないか??

私の欠けた左の前歯。
いつからかそこに、答えを灯す空間を見続けていたように思うのだ。

YES.body/hozzy

hozzy