種も夢を見るのものか。

種も夢を見るのものか。

「ぼくらはどこへゆくのだろう」

ある肌寒くなった秋の始まりに、ポジョニョムン少年はふと夏の名残を憂んでおりました。
見渡す限りの大地の曲線。
切り立った崖には無数の鳥たちが弧を描いて新しい季節を享受しています。

「ぼくもあの鳥たちのように、どこかへ、、、、いや、どこまでも純粋に生きたい」

崖の下には透明をすぎてコバルトブルーになった細い川が、少年の気落ちなどには1%も関与すること無くとうとうと流れています。
決して地味ではない山の色合いも、雲の冷たくなった輝きも、決して彼に繋ぎ合わさること無くそこにあります。

空気が遠い。
否、手を離れていっている。
なのになぜか、その形が、心に流れ込んできている。

この恐ろしい出来事に、ポジョニョムンはまだ気づきませんでした。
ただ、自分がぼんやりしているだけなんだろうと思っていました。

『おまえはどこからきたわけでもないのだから、どこへゆくはずもないではないか』

突然の風の狭間から、老人のようなかすれた低い声が響きました。
少年は耳を疑いつつも辺りをせわしなく眺めましたが、人影の欠片も見当たりません。
不安になった少年は、崖から一歩後ずさりをしました。

そのときです。

背中を誰かに強く突き飛ばされ、声を上げる暇もなく谷底に向かって真っ逆さま。
必至に空中で手をかき回しますが、万有引力の法則はさすがに偉いです。確かに彼の体を地球の中心へ慈悲も無く引っ張っていきます。
悲鳴をあげるかあげないか、
全てのインスピレーションが混乱し尽くしたそのとき、川から突き出た岩に運悪く頭から激突してしまいました。

ゴっつんこ!

その瞬間に、なんだろう、全ての答えが解ったのです。
正確には、そんな気がしたのです。
『どこからきたか』その質問に打ち付ける答えもわかりました。
『どこへゆくのか』その明確な目的も同時に解った気がしたのでした。

「わかったなり!この細胞が答えなり!!」



ぶううううううううううううううううううううううううううううん



目が覚めたら、凄まじいエネルギーに包み込まれていました。

「ああ!なんか居眠りしてる間に、ゴールしてしまったじゃないかよ。なんかごめんみんな!!」

夢を見ていた精子くん第一号は、そんな風に半覚醒のまま勇者になりました。
並みいる強豪たちを抑えて、分裂する権利を手に入れたのです

さあ本当のはじまりが始まります。
しかしこれから更に厳しい関門が待ち受けています。

今度は、これから生きる世界の中で、どこへゆくのかを定めていかなければなりません。
答えは在るのでしょうか。
いまは希望だけがポジョニョムンを包み込んでいます。

負けるなポジョニョムン!!


そしてここからが、私の長年の疑問です。
精子や卵子というものは、生命なんでしょうか。
それらが結合した瞬間からが生命なんでしょうか。

おそらく、じょうしきでは、精子や卵子は生命ではない。
法律や、倫理がからむところでは生命であってはならないはずです。

なぜなら、もし精子や卵子を生命としてしまうと、マスターベーションや(男性の場合)月経が(女性の場合)法律違反や不道徳になってしまうからです。
マスターベーションは表立っては不道徳の色合いがまあ、濃いとしても(しかし男にとっては不可抗力です)女性の月経が不道徳となると、現代社会においては特に旗色悪いです(昔は、それをケガレとしていた民族学的な分析もあるみたいですが、、、、昔は男中心だったりまじない指向が強かったりするからそうなったりしちゃったみたい)

ということは、精子や卵子の状態というのは、少なくとも倫理上は人間が罪の意識を持たないレベルで「生命」ではないとすでに断定されているわけです。

ところがよくNHKなんかでもよくやってる「生命の神秘」的な番組とかで精子が無数に泳いでる映像何かを見ると、どうみても生きてるようにしか見えない。
あれを初めて見たときから、おそらくこの疑問は始まっていったと思うのだよ。
小学生の時の保険の授業の時にはひどく不安定な気持ちになった(いろんな意味で)
今も、これ読んでる人が気分悪くなったりしたらすまないとおもいつつ書いてます。
そうなったら、すいません。

俺、シラコとか食えないもん。
なのに、タラコは食えるんだよ。

この差は、俺が男だからってのもあると思うんだけど、卵に対して、精巣ってのがなんか生々しいとかんじるのは、やっぱあの映像のせいだと思うんだよ。

卵は、待機してるじゃない。
静じゃない。
勝手に始まったりはしない。
だからなんか安心感があるのかな。

生命の線引きってのは、つまるとこ人間の作った定義状の問題でしかないと思うんだけど、精子がほんと不思議。

けどよくよく考えたら白血球とかも勝手にがんがん動いて細菌とかやっつけてるから、これとおんなじものって思えば不思議じゃないのかな。
俺が全く知らない所で、まるで別の意志を持ってるかのように勝手に増えて減って敵をやっつけてくれてるんだもんな。

おう笑。

そういうことか、書いててなんか納得した笑。

つまりは、ぜんぶ、が生きててこの体ってことだ。

たまたま精子の役割分担、卵子の役割分担が始まりに関係してるから、なんか特別な感じがしてしまうのか。

精子や卵子は「生命の一部」であって結合しなければあたらしい生命ではない。

結局この当たり前の文句に収まった笑。
けどまあ、不思議だよこれって。

とりあえずこれでやめとこう。
ぼーっとしてきた。

YES.pojonyomun/hozzy

hozzy